本ブログは観光業、企業接待、留学生対応等で英語案内が必要ながら、多忙で準備に時間をかけられない方々の為にすぐに使える情報を分かりやすく解説しています。今回はビジネスで来日中の重要顧客を商談後、江戸時代往時の面影を今に伝える武家屋敷跡の『野村家』へ、急遽ご案内することになった際の英語表現をご紹介します。
👉本ブログでは目の前の物を一緒に見ているインバウンドに、できるだけ思考を求めない、また一般的には関心が薄いと言われる固有名詞(名前、地名等)や年代は極力控えた、よりわかり易い口頭説明を目指していますので、高度で詳細情報をご希望の場合は公式or専門サイトをご利用下さい。公式サイトは最後にご紹介していますので目次よりご参照ください。
0.事前の心得として
a) 基本用語:諸々の説明の為に
メインに入る前に、本ブログタイトルにもありました簡単な基本用語をご紹介します。
- 野村家 / The Nomura Family Samurai House
- 古くからの武家屋敷街/old samurai town atmosphere/traditional samurai residence district
- 👉野村家のある長町界隈は色々な単語の組み合わせて表現できますので、お好みでチョイスですね。
- 武家屋敷跡 / a restored samurai residence
- 👉野村家は移築復元されたので。
- 伝来の刀剣と甲冑/ancestral swords and armors
b) 業務用語:支障のない進行の為に
👉野村家対応に限りませんが、想定外の人数を案内する場合、事前にお伝えしておきたい説明例です。
- 人気スポットなので混雑が予想されること。(特に週末や天候が悪いとき)
- 通常の日本の家なので玄関は狭く一度に大勢入れない。
- 混んでいても割り込まないで野村家の前の駐車場から列に並んで順番に入館してほしい。
- 野村家の隣のお菓子屋の前にいると邪魔なので立ち止まらないでほしい。
- 混雑のピークを避けたい場合は、野村家の側の2件の店で軽食や休憩しながら様子を見ることも可能。
- 但し、どの時間帯に混雑が緩和するかはわからない。
- 入館料にカードが使えないので現金を用意しておいてほしい。
- 入館手続きが終わったら、靴を脱いで目の前の棚に入れてほしい。
- 館内は案内版に従って、ご自分のペースで進んでほしい。
- 時間制限はないので好きなだけいてもよい。
- 中にトイレはあるが、数は多くないので、事前に済ましておいてほしい。
- 全館禁煙なので近くの喫煙所でお願いしたい。
👉前半No1~6と後半6~12は音声サンプル話者が変わります。同じ米国女性でも喋り方で印象が違う点もお楽しみ下さい。
- As this is a popular spot, it is expected to be crowded (especially on weekends or during bad weather).
- Since it is a typical Japanese house, the entrance is narrow and cannot accommodate many people at once.
- Please do not cut in line, even if it is crowded, and line up in order from the parking lot in front of the house.
- Please do not stop in front of the adjacent sweet shop as you are in the way.
- If you want to avoid peak hours, you can observe the situation from the nearby shops where you can grab a snack or take a break.
- However, it is not known at what time the crowds will ease.
- Please prepare cash as you cannot use credit cards for admission fees.
- After completing the admission procedure, please take off your shoes and put them on the shelf in front of you.
- Please follow the guide board inside the house and proceed at your own pace.
- There is no time limit, so feel free to stay as long as you like.
- There is a restroom inside, but there are not many, so please go to a lavatory in advance.
- Smoking is prohibited throughout the building, so please use the nearby designated smoking area.
1. 基本情報
まずは、中に入る前の基本的なご説明例を段階的にご紹介します。いつも通り、日本語で説明できないことは英語でも説明できませんので、日本語→英語の順番です。
👉インバウンドでの知名度は高く、彼らもネットでそれなりの情報と画像は見ているかもしれませんが、旅行中は細かいことは覚えてませんし、何よりも地元の日本人の話しにも興味があるので、本番のご案内をスムーズに進める為にも、何とかここは上手くお伝えしたいですね。
a) かいつまんで言うなら(標準的インバウンド向け)
👉かなり要約しておりますが、相手によってはこれでも長く難しいかもしれません。
- 1800年代(約200年前)に建てられた野村家の屋敷を復元したもの。
- 野村家は加賀藩主代々の上級家臣。企業で言えば執行役員クラス。
- 上級武家の当時の屋敷の雰囲気が、庭園、茶室、道具で鑑賞できる。
- 特にお勧めは庭園と茶室で、ただ座っているだけで侍の気分になれる。
👉その英訳例です。
- This house is a restored residence of the Nomura family, which was built in the 1800s (about 200 years ago).
- The Nomura family were senior retainers who served their lord for generations, equivalent to senior executive officers in modern corporations.
- Here, you can appreciate the atmosphere of a senior samurai’s residence at that time by viewing the garden, tea room, and utensils.
- The garden and tea room are especially recommended, as anyone can feel like a samurai just by sitting there.
b) もっと簡略化するなら(英語が第二言語の方向け)
👉もう少し簡略化してみました。英語が母国語でない人や日本知識のない方向けにどうでしょうか。
- この武家屋敷街で唯一公開されている貴重な場所。
- ここの住民は上級クラスの侍であった。
- 庭園と茶室に入れば、当時の武士の日常生活が伺える。
👉その英訳例です。
- This house is a valuable place, as it is the only one open to the public in this samurai mansion district.
- The residents here were upper-class samurai.
- If you enter the garden and tea room, you can get a glimpse of the daily life of the samurai from that time.
c) 一言で済ませるなら(米国人向け2例)
👉もし一言で済ますとしたらこんな感じでしょうか。特にアメリカ人は同じ意味の単語でも短い方を好んで使うので米国人向き?よりしっくりくる方をお試しください。
- 最近まで武士が住んでいたような感じにさせられる異次元空間だ。
- 京都の禅寺の修行の庭と違って、侍の生活の庭が体験できる。
- 👉「京都」は相手次第で冗長かもしれませんね。
- The house feels like an another dimension that until recently had been inhabited by a samurai.
- Unlike the meditation gardens of Kyoto’s Zen temples, you can experience a garden that reflects the daily life of a samurai.
2.インバウンドの視点!笑いが取れるかも?
ここからは実際に野村家の中を見ながら、各所を眼の前にして自然に湧き上がるインバウンドの疑問や好奇心を想定した説明例です。👉真面目&笑いネタと日常会話表現を織り込んでますので英語の雑談力アップになるかも!
a) 甲冑
玄関を入るとすぐ甲冑が目に入りますが、これは野村伝兵衛が実際に着用したものです。混んでいる狭い玄関前なので、長い説明は不適ですが、説明ボードについても聞かれる可能性もありますので、それも踏まえた想定問答例です。
Q1:この甲冑は何なんですか?
“What is this armor?”
Q1では昆虫用語を多く織り込みました。前半(No1-6)は説明にも使える真面目パート、後半(No7-10)は雑談力アップ用のおふざけパートです。👉末尾の英語音声話者は鎧のような手堅いトーンの英国男性です。👉本パート表現の習得用演習ツールご利用はこちらへ!
- 野村家初代当主が実際に身に着けた甲冑です。
- これを着た戦で手柄を立て上級武士に取り立てられました。
- このボードには、その戦の詳細が書かれています。
- 金沢城の領主まだ不安定な時期でした。
- 野村家当主は槍で戦ったそうです。
- 博物館でよく見る装飾的な甲冑と違って、兜もコンパクトで実戦的です。
- 日本では、鎧の兜の部分を「カブト」(かぶと虫の意味合い)と呼び、前立ての飾りを「クワガタ」(くわがた虫の意味合い)と呼びます。
- 一般に「クワガタ」の装飾と大きさが武士の身分を示しますが、通常一対の角を持つクワガタムシと違い、この「クワガタ」は先が閉じています。
- 当主は当時、下級武士だったため、カブトムシの角の様に槍で道を切り開くしか生きる道はないと思ったのかもしれません
- この兜のクワガタ飾りの閉じた円は、当時の彼のジレンマを象徴しているように見えるかも!
- This is the actual armor worn by the first head of the Nomura family.
- He earned recognition for his valor in battles while wearing this armor, which led to his promotion as a senior samurai.
- This board provides insights into the details of the battles he participated in.
- The lord of Kanazawa Castle was in a period of significant instability at that time.
- The head of the Nomura family was said to have fought with a spear.
- Unlike the ornate armor often displayed in museums, this helmet is both compact and practical.
- In Japan, the helmet part of the armor is called ‘kabuto’, meaning ‘a beetle’, and its frontal ornament is called ‘kuwagata ‘meaning ‘a stag beetle’.
- Generally, this ornamentation and size of ‘kuwagata’ indicate the status of the samurai, but unlike stag beetles that usually have a pair of horns, this one is closed at the end.
- As he was a low-ranked samurai at the time, he likely felt he had no other way to survive but to make his way with his spear, equivalent to a beetle’s horn.
- The closed circle of the stag beetle ornament on his helmet might symbolize the dilemma he faced at that time!
b)鬼川文庫
👉👉ここだけは、インバウンドの嗜好の個人差が大きく、全く面白くなかった、と評価されない書き込みも多いですが、こちらの案内次第で相手の印象が大きく変わるところです。さりとてマニア向けの専門用語は難しいので、いかにシンプルに腑に落ちる説明ができるか腕の見せ所かもしれません。
背景(Background)
殆どのインバウンドがまず感じるであろう所は(いつものパターンともいえますが)、こんな展示室が、『何故ここに?(why?)』『どんな経緯でここに?(How?)』、『どんな楽しいことが?(What?)』なので、それを踏まえた説明例です。
Q1:何故ここに展示室があるのですか?
“Why is there an exhibition room here?”
Q1では博物館用語を多めに置きました。前半(No1-6)は説明にも使える真面目パート、後半(No7-10)は雑談力アップ用のおふざけパートです。👉英語音声は教師の講義調の英国女性話者です。👉本パート表現の習得用演習ツールご利用はこちらへ!
《日本語》
- 武家屋敷地区の高級武士達は領主、貴族、豪商との人脈がありました。
- 彼らは珍しく高価なコレクションを保持していました。
- サムライ時代の終焉により、彼らは経済的に困窮し、土地、家財を処分しなければならなりませんでした。
- 貴重な武士のお宝も多くが散逸しました。
- その中でも、野村家では先祖伝来の刀剣、書状が保持されていました。
- 著名な博物館でしか見られないサムライ時代の工芸品がここで楽しめます。
- なんといっても、大量の広告費スタッフ付きの博物館よりも遥かに低コストです。
- この野村家の末裔は見事に苦難を乗り越え、この家を大きな公的な美術館に委ねることはしませんでした。
- さらに、我々、現地ガイドは、高コスト博物館に比べて、ほんのわずかな費用で、興味をそそる説得力のある説明をご提供できます。
- なぜなら、仕えるしか道がなかった当時の下級武士たちと同じ気分かもしれないので。
《英訳例》
- In the samurai residence area, high-ranking samurai maintained close ties with lords, aristocrats, and wealthy merchants.
- They amassed impressive collections of rare and valuable items.
- When the samurai era came to an end, many of them faced financial difficulties and were forced to sell their land and family possessions.
- As a result, numerous precious samurai treasures were dispersed.
- The Nomura family, however, managed to preserve ancestral swords and letters.
- Visitors here have a unique opportunity to admire these samurai-era artifacts, typically found only in renowned museums.
- The best part? It’s more affordable than visiting those heavily advertised and staffed museums.
- A descendant of the Nomura family successfully preserved their ancestral home, overcoming various challenges and choosing not to turn it into a large public museum.
- Moreover, as local guides, we can offer captivating and compelling explanations at a fraction of the cost of expensive museums!
- Perhaps this is because we share a similar mindset and position as the lower-class samurais of that time, who had no choice but to serve.
書簡(letters)
見れば手紙とわかるので、その手紙の価値を(インバウンドの高い興味対象の)日本人の性格特徴としてお伝えするのがおススメです。基本通り、相手がマニアでなければ、固有名詞(明智光秀、朝倉敏景)や年代は極力避けます。ここも、いずれかのセリフで、日本人の不思議さが上手くお伝えできれば良いですね。前半(No1-4)は説明にも使える真面目パート、後半(No5-10)は雑談力アップ用のおふざけパートです。👉英語音声は、キングの死を悼む調子の米国女性話者です。「裏切り」用語を多くしました。👉本パート表現の習得用演習ツールご利用はこちらへ!
Q1.この感謝状のどこに価値があるの?
“What is valuable in this letter of gratitude?”
《日本語》
- これは日本史上、最大の裏切り者として有名なサムライからの感謝状です。
- 世界史では「ユダ」や「ブルータス」がその代表例として有名ですが、彼も日本史で同様に位置付けられています。
- 彼は当時事実上の日本のキングであった自分のボスが休養中、自分の軍隊を差し向けて殺したのです。
- 彼はそのキングに、それまでとても従順で忠実だったので、その裏切り行為は今でもミステリーとされてます。
- 野村家が仕えていた金沢城の領主も、城主になる前の当時は、その殺されたキングの部下で、その裏切り者の同僚でした。
- もし、そのキングが殺されていなかったら、金沢城の領主もその部下の野村家もなかったでしょう。
- 何故なら、そのキングはかなりの暴君で、成果を出しているうちは良いけれど、ダメだしされた多くの部下たちは左遷されたか、最悪の場合は切腹を命じられたりもしました。
- 専門家によると彼の多くの部下たちがそのキングに従っていたのは恐怖心からだったと言われています。
- その裏切り者も、その後の金沢城の城主も遅かれ早かれ殺されていたかもしれません。
- 感謝状を出したかったのは、その裏切り者でなく、むしろ、野村家の方だったかもしれませんね。
《英訳例》
- This is a letter of gratitude from a samurai known for one of the most notable betrayals in Japanese history.
- Just as “Judas” and “Brutus” are well-known examples in world history, he holds a similar position in Japanese history.
- He sent his own troops to kill his boss, who was then the de facto king of Japan, while the latter was resting
- He had been so obedient and loyal to that king up to that point that his betrayal is still considered a mystery.
- At the time of the betrayal, before the lord of Kanazawa Castle assumed his position, he was subordinate to the murdered king and a colleague of the traitor.
- If the king had not met his unfortunate end, there might not have been a Lord of Kanazawa Castle and its retainers, including the Nomura family.
- The king’s tyrannical nature led to the punishment or forced removal of many of his subordinates who failed to meet his expectations, with the most severe consequence being ordered to commit seppuku (ritual suicide).
- Experts suggest that fear, rather than respect or rationality, compelled many of his men to follow him.
- Both the traitor and the subsequent lord of Kanazawa Castle might have faced their demise sooner or later.
- It’s possible that it was the Nomura family, not the traitor that wanted to write a ‘thank you’ letter for the betrayal.
刀剣(Swords)
技術好みのインバウンドには刀剣ファンが多いので、逆に多くの質問は不要でしょう。見ているだけでその機能美がわかりますので。ここでも日本人の特徴(価値観)について、ちょっと触れています。刀剣用語を多くしました。前半(No1-5)は説明にも使える真面目パート、後半(No6-10)は雑談力アップ用のおふざけパートです。👉英語音声は、武士の魂を語るにふさわしい落ち着いた感じの米国女性話者です。
Q1.この刀剣は実際に使われたものですか?
”Were these swords actually used?”
《日本語》
- サムライ時代の後期は比較的平和な時代だったので、刀剣の多くは観賞用となってました。
- 2~3百年以上の刀とは思えない機能と美を兼ね備えています。
- 武士が没落する中でも手放さなかったのは、サムライの最後のプライドだったかもしれません。
- ’刀剣はサムライの魂’が当時の価値観でしたから、どんなに困っても魂は売らなかったのですね。
- ’悪魔に魂を売っても生き残りたい’商人と対極ですね。
- そうなると、武士と商人との主導権を争う勝負は最初から見えていたとも言えます。
- 約千年にわたり、刀剣で生き抜いてきたサムライにとって、この平和の時代の武器はただのプライドの遺産に過ぎません。
- これは、聖書の有名な”剣に生き、剣に死ぬ “を思い起こさせますね。
- 武士は時空を超えてそれを証明したと言えるかもしれませんね。必ずしも文字通りの意味でなく。
- 彼らは単に剣で死んだのではなく、剣にしがみつき売らなかったんです。生きるためにその遺産を売るべきだったかもって時にね。
《英訳例》
- The late Samurai period was marked by relative peace, leading to the creation of many ornamental swords.
- It’s astounding that these swords are more than two or three hundred years old because they retain both functionality and beauty.
- It could be considered the last source of pride for the Samurai that they didn’t sell these swords, even amidst the decline of Samurai families.
- ‘A sword is the soul of a samurai’ held great value. So, no matter how dire their circumstances, it might have been unthinkable to ‘sell their souls’.
- Samurai stood in contrast to merchants who prioritized survival, even if it meant ‘selling their souls to the devil’.
- It could be said, then, that the contest for leadership between the samurai and the merchants was predictable from the beginning.
- For samurai who had survived by the sword for nearly a thousand years, the weapon became a legacy of pride, even in peaceful times.
- This recalls the famous biblical saying, “Live by the sword, die by the sword.”
- One might argue that the samurai proved this true across time and space—not necessarily in the literal sense.
- They didn’t just die by the sword; they clung to it, refusing to sell, even when it might have been wiser to trade their legacy for survival.
鐙(あぶみ)(stirrup)
《銀象嵌牡丹文鐙》の難しい説明は省きますが、馬具に銀線を埋め込んだ装飾を施したものです。インバウンドはそもそも何かわからないので、それだけコメントすれば十分かもしれません。👉英語音声は当時、馬とは無縁であった若々しいオーストラリア男性話者に語っていただきます。馬具用語を織り込んでます。
《日本語》
- これは馬具で、鞍(くら)の両わきにさげて足を踏みかけるものです。
- 実際に使う為でなく、銀線を埋める工芸技術による装飾品です。
- 指輪に銀を使うのならよくわかりますが、足を置く鐙に銀を使うなんて贅沢ですね。
- でも、サムライ時代から金箔で有名な金沢の人にとっては金以外の金属はそれほど価値を感じないのかも。
- そうでしょうとも、「足」を置く鐙に金を使うなんて金沢の人は考えもしないでしょう。
- 金沢人にとって、金は最高に大切なものなので金箔ソフトのトッピングで「口」に入れるもんなのですよ!
《英訳例》
- This is a horse harness that was placed on both sides of the saddle, serving as a decorative footrest.
- It wasn’t designed for practical use but rather as an ornamental piece crafted by skilled artisans who adorned the saddle with silver wire.
- While silver is commonly used for rings, it might seem extravagant to use such a valuable metal for stirrups, which are primarily for foot placement.
- However, in Kanazawa, a well-known town famous for its gold leaf craftsmanship dating back to the samurai era, metals other than gold may not have been as highly valued.
- Indeed, people in Kanazawa would never consider embedding gold in stirrups for ‘foot’ placement.
- For the people of Kanazawa, gold holds utmost importance and should be used for their ‘mouth,’ such as gold leaf toppings on soft ice cream!
茶道具(Tea Utensils)
煙草盆(たばこぼん)
茶道具のひとつですが、それだけをインバウンドに伝えても、茶道自体知らなければ、’よくわからん’、ともなりかねませんが、もう少しコメントして、’よくわからんけど日本人はおもしろい’、と少しでもご満足いただければ嬉しいですね。と、思いながら書いていたら随分長くなってしまいました。殆どのインバウンドには最初の1,2文だけで十分でしょうけれども、茶道文化にも興味のあるインバウンドも多いので、茶道に関連する色々な用語や表現も試せるように織り込んでみました。👉英語音声は失くしたものへのお悔やみに相応しい印象の英国男性です。
《日本語》
- 元々はいつでもどこでも煙草を楽しむ為の便利キットでした。
- 火入、灰皿、煙管、煙草入れ等、喫煙に必要な備品が一つの箱に纏められています。
- 嫌煙時代の現代と違い、サムライ時代の煙草は茶道の様な社交の華でした。
- それで茶道でも、お客様をもてなす為に使われるようになりました。
- 高級なお線香の様に、煙草の煙を茶室に立てて、香りを楽しむのです。
- また、蒔絵のような装飾もされるようなり、現代でもアンティークとして人気があります。
- 当時のサムライの栄華も、煙草の煙の様に消え去り、この煙草盆だけが残ったことになりますね。
- でもサムライも現代の様な喫煙受難の時代を知らずに終わり幸せだったかも。
《英訳例》
- This was originally a portable kit designed for enjoying cigarettes anytime, anywhere.
- The kit included all the essentials for smoking – a firebox, ashtray, smoking pipe, and a tobacco container – all neatly packed in a single box.
- In contrast to today’s smoke-restriction era, smoking during the Samurai era was a social activity akin to the tea ceremony.
- These kits were even used during tea ceremonies to entertainment guests.
- Much like high-quality incense sticks, the fragrant smoke from these cigarettes was introduced into the tea room, allowing everyone to savor the aroma.
- They were often adorned with maki-e decoration and remain popular as antiques to this day.
- The glory of the samurai of that era has vanished like the dissipating smoke from cigarettes, leaving behind only this tobacco tray.
- Yet, the samurai of that time might have been content not to experience the smoking restrictions of the modern era.
c)日本庭園
👉多くのインバウンドはネットや口コミでこの庭園の存在は事前に知っていて、これが目当てで来た人も多いようで、ああ、これがそうか、といった感じで、大人しく雑談しながら暫く濡れ縁に座っている風景をよく見ます。ただ黙って一緒に縁側に座っていて宜しいと思いますが、いつも通り、インバウンド視点の質問に備えて、いくつか並べてみました。
背景(Background)
ここの庭の特徴の一つは、日本庭園でよく見るちょろちょろ流れる曲水でなく、大きな音を立てる曲水ですので、その辺りを背景として置いてみました。👉英語音声は、武士の栄光を伝えるのに最適な大英帝国の末裔の男性話者です。
《日本語》
- この、かつての武家屋敷界隈には大きな用水路が整備されてきました。
- 元々この用水はこの辺りに武家屋敷が作られ始めた頃の木材運搬に使われたそうです。
- その後、その用水から多くの武家屋敷が自らの庭園に水を引いて曲水を作りました。
- ここの庭園もその一つですが、ちょろちょろ流れる貴族庭園と違った快活な音を立てる曲水はいかにも武家の庭園といった感じです。
- でも、この快活な滝は電気の力を借りているので、サムライの力がなくなった証の様にも思えます。
《英訳例》
- A large irrigation canal has been maintained in this former samurai residence area.
- Originally, this irrigation canal was used to transport lumber when samurai residences were first constructed in this area.
- Over time, many samurai residences including this one utilized the water from this canal to create their own gardens.
- Unlike the tranquil aristocratic gardens with slow-flowing water, Kyo-ku-sui, featuring a meandering stream, creates a lively ambiance, reminiscent of a samurai’s garden.
- However, since this waterfall is powered by electricity, it seems to symbolize the decline of samurai power.
濡れ縁(ぬれえん)
庭の中
先程言葉はなくても、と書きましたが、それでも名画を観て(その人なりに純粋に楽しめば良いわけですが)何が素晴らしいのか、何が評価されているのか、戸惑う人もいるかもしれません。その辺り、何が腑に落ちるかわかりませんが、お好みの部分があれば、濡れ縁での雑談時にお試しください。後半では、インバウンドの好きな、日本人のストーリー性を織り込んて見ました。👉英語部分は日本人と同じくらい庭園好きの英国女性に語っていただきます。
《日本語》
- 庭は狭いですが、各構成要素が密に立体的に配置されているため、広く見え、開放感があります。
- 樹木、灯籠、庭石、曲水の構成物がバランスよく配置されているので統一感、安定感があります。
- 曲水の中を泳ぐ鯉の静かさと躍動感のある滝の音がお互いを邪魔することなく調和しています。
- 狭さ故、散歩用でなく濡れ縁から観賞できるように作られいて、見ている人に迷いを与えません。
- 目の前の大きなヤマモモの樹齢は400年を超えています。
- 野村家初代当主は当時、故郷に生えている植物を植えて育てようとしたそうです。
- 残念ながら、気候も土壌も合わず、殆どが上手く育ちませんでした。
- この木は生き残った数少ない植物の一つですが、この小さな庭の守り神のように見えます。
- しばしば狭い庭と言われますが、ウサギ小屋の様な住居に住む多くの日本人にとっては、むしろ広く感じるでしょう。
《英訳例》
- Although the garden is narrow, the dense, three-dimensional arrangement of each component makes it appear larger, thus creating a sense of spaciousness.
- The well-balanced arrangement of components like trees, lanterns, garden stones, and kyo-ku-sui (meandering stream) imparts a feeling of unity and stability.
- The quietness of the carp swimming in the stream and the lively sound of the waterfall harmonize without interfering with each other.
- Due to its narrowness, it is designed for viewing from the open verandah rather than for strolling, ensuring that the viewer never feels disoriented.
- The large bayberry tree (mountain myrtle tree) in front of you is over 400 years old.
- The first head of the Nomura family tried to plant and grow plants that grew in his hometown at that time.
- Unfortunately, the climate and soil were not suitable, and most of them did not grow well.
- This tree, one of the few that survived, appears to be the guardian deity of this small garden.
- Many people often describe this garden as small, but for many Japanese who live in rabbit hutch-like dwellings, it probably feels even more spacious.
d) 上段の間/謁見の間
サムライ屋敷に一体何故?領主をお招きする為の上段の間が?と思うのは、かなりお詳しい方で、殆どのインバウンドは(日本人観光客の多くもですが)、この屋敷の雰囲気に浸かっていますので、その辺りの細かい質問はそれほど多くないようです。ここでは、この部屋はそもそも何?(What?)、どのように使われるの?(How?)への対応がメインかと思います。また、建築質問も多いので、その辺りの表現を意識して組んでみました。
全体
《日本語》
- 藩主をお招きする為の、上段の間と呼ばれるVIPルームで、一段高く作られています。
- オリジナルの野村家にはなかった部屋ですが、19世紀半ばに復元された際に関係する大名屋敷から移築されました。
- お金に糸目をつけず、紫檀や黒檀のような高価な材料と手の込んだ手法を使って豪快にかつ精緻に作られています。
- このような謁見の場では、中の高貴な人が直接見えないように簾(すだれ)がかけられます。
- 庶民の家でもよく簾をかけますが、殆どは部屋の中に干した洗濯機ものが外から見えない様にするためです。
《英訳例》
- This was a VIP room, known as a Jodan-no-ma, for inviting feudal lords, and was built one step higher than the rest.
- This room did not exist in the original Nomura House, but was moved from a related daimyo’s mansion when it was restored in the mid-19th century.
- They are boldly and exquisitely crafted using expensive materials such as ebony and black ebony and elaborate techniques.
- In such audience halls, a bamboo blind is hung over the room so that the nobleman inside cannot be seen directly.
- Even common people’s houses are often covered with bamboo blinds, mostly to prevent the outside from seeing the laundry that has been dried inside the room.
主要パーツについて
ここからは、素材(部材)と工法のポイントを整理します。ここもどこまで説明するか悩ましいところですが、基本的には、何がすごいのか自体よくわからないはずなので、何かが目に留まったと気づいたときにワンポイントでコメントする想定で置いてみました。
格天井(ごうてんじょう)
いつも通り日英順(6セット)です。
《日本語》
- この天井は格式の高い大広間でしばしば見られる建築方法が使われています。
- 細長い角材で格子状の骨組みを組んで、その上に裏板を張り付けます。
- この天井には、木材の中でも最も高価なヒノキだけが使われています。
- ヒノキは美しい白さと光沢、そして特有の香りで現在も高級建築に使われます。
- 現代人もお金持ちはヒノキ風呂を自宅に作ってその香りを楽しみます。
- 唯一の欠点は高価で我々庶民には高値の花で、ため息プラス、って感じです!
《英訳例》
- This ceiling uses a construction method often seen in prestigious halls.
- A lattice-like framework is constructed with long, slender square timbers, over which backing boards are affixed.
- It’s worth noting that this ceiling was made entirely of cypress, one of the most expensive types of wood.
- Hinoki is still utilized in high-end construction today for its beautiful whiteness, luster, and distinctive fragrance.
- Even today, wealthy individuals have cypress baths at home and enjoy its fragrance.
- The only drawback is its expense; for us commoners, it’s like buying an overpriced flower, sigh! plus.
桐の床板
いつも通り日英順(8セット)です。
《日本語》
- 床板には、高級箪笥でよく使われる桐の板が張られています。
- 桐は木を食べる虫を寄せ付けない成分がありますので、タンス素材に最適です。
- では何故、そんな高級な桐の素材をフローリングに使ったのでしょうか?
- 理由は色々考えられますが、桐の床板は冷たくならないからだという説があります。
- 桐の内部は空気を多く含み、熱を伝えにくいため、スポンジのように寒さに強いのです。
- しかし、空気を多く含むため弱く、傷がつきやすく、フローリングには不適でなのです。
- つまり、桐の床板は、表面を傷つけることなく優雅に足を踏み入れることができる高貴な人に向いているわけです。
- 悲しいことに、桐はカビや虫だけでなく、私たちのような庶民も寄せ付けないということなんですね。
《英訳例》
- The floorboards are covered with paulownia wood, a material often used in high-end chests.
- Paulownia wood has a component that keeps wood-eating insects at bay, making it an ideal material for chests of drawers.
- So why would such high-quality paulownia wood be used for flooring?
- There are many possible reasons, but one theory suggests that paulownia floorboards are chosen for their ability to retain warmth.
- The interior of paulownia wood contains a lot of air, which doesn’t conduct heat easily, making it resistant to cold, much like a sponge.
- However, its high air content renders it weak, easily scratched, and unsuitable for flooring.
- Thus, paulownia floorboards are best suited for noble individuals who can tread gracefully without harming the surface.
- Sadly, this suggests that paulownia wood can repel not only mold and pests but also commoners like us.
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ガラス障子
いつも通り日英順(7セット)です。
《日本語》
- 中から庭を見ることができるガラス入りの障子は当時のものです。
- 現代のものと見間違えるほどの障子なので2百年前は驚きの対象だったでしょう。
- でもこの裕福な野村家は高価だけど便利な透明なガラスを何故増やさなかったのでしょうか?
- 障子と違って、雨も弾き風も通さないのに光を全て通し、しかも周りに自慢もできるこのガラス。
- ガラスの導入は西洋化の象徴なので、これが普及することはサムライ時代の終焉も意味していたわけです。
- それを予見していたかのように彼らは結局、ここをガラス張りの屋敷にはしませんでした。
- その代わり世界的に有名になった大人気のこの屋敷は世界中のネットの目からガラス張りです。
《英訳例》
- The glass-filled shoji screens that allow you to see the garden from inside were made in those days.
- The shoji screens, which could be mistaken for modern ones, would have been an object of amazement two hundred years ago.
- But why didn’t the wealthy Nomura family opt for adding more expensive yet convenient clear glass?
- Unlike shoji screens, this glass repels rain, keeps out wind, allows all light to pass through, and can be proudly displayed to those around it.
- Since the introduction of glass was a symbol of westernization, its widespread use also signaled the end of the samurai period.
- As if foreseeing this, they decided against turning the place into a glass house after all.
- Instead, this very popular samurai mansion, which has gained worldwide fame, became another glass house open to the eyes of people in the Net world!
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襖絵&牡丹
いつも通り日英順(5セット)です。
《日本語》
- 襖絵には、当時最高峰の絵師が描いた山水画と白い牡丹が描かれています。
- 牡丹の花ことばは「風格」「富貴」なので、領主クラスの邸宅の襖絵にはよく描かれます。
- 花瓶に一輪挿しただけでも豪華に見える雰囲気から原産国の中国では「花王」「花神」の意味があります。
- 一輪でも絵になる牡丹は数の多さで絵になる桜や梅と対照的ですね。
- 実際、画家も桜や梅だと沢山の花や枝を描かなければならないのに牡丹だと1本描けばよいので描く側にとっても特に人気なのかも。
《英訳例》
- The fusuma paintings depict traditional monochrome landscapes and white peonies painted by the best painters of the time.
- Since the words of peony are “style” and “wealthy,” peonies are often depicted on fusuma paintings in the residences of lords.
- It has the meaning of “flower king” or “flower god” in China, its country of origin, because of the luxurious atmosphere of a single flower in a vase.
- Peonies, which are picturesque even with a single flower, are in contrast to cherry blossoms and plum blossoms, which are picturesque by their sheer number.
- In fact, when painting cherry and plum blossoms, artists must depict numerous flowers and branches, whereas with peonies, a single flower may suffice, making them particularly popular among painters.
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e)茶室
👉茶室も、庭の曲水の音を聞きがら、また、庭園を見下ろしながら、一緒に座って雑談もよいと思います。お茶を飲みながら。下記はそのままお誘いする例です。
《日本語》
- ここは庭の曲水の音を聞きがらお茶が楽しめます。
- 窓から庭園を見下ろしながらぼんやりするのもお勧めです。
《英訳例》
- You can enjoy tea while listening to the sound of the garden’s flowing water.
- It is also recommended to gaze out the window and daydream while overlooking the garden.
茶室
2階の茶室へ入った時に素朴に感じるであろう想定質問に対する対応例です。
Q1:この天井は随分変わった造りですね。
“This ceiling is a very unusual structure.”
建築に興味があるインバウンドも多いので、気が付かない場合も含めて、ご説明すると喜ばれる箇所。全10文は前半の真面目パート(1-6)と後半のおふざけパート(7-10)に分かれています。今回は茶道、美意識、木に関する表現をできるだけ織り込んでみました。前半は実際の説明にも使える内容ですので、お好みのフレーズがあればお試しください。後半はいつもの雑談力UPを意図した笑いネタパートです。
《日本語》
- その美に気が付くなんて鋭い眼をお持ちですね、殆どの人は見過ごしますのに。
- この天井は二層に重ねられたユニークな構造で、上が杉で下地が桐板なんです。
- それで杉の節穴から下層の美しい桐が見えます。
- 桐は、反りや寸法変化に強く、いつまでも美しい外観を保つことができるため珍重されています。
- ここで使われている希少な杉は「神代杉」と呼ばれています。
- この杉は何百年もの間、火山灰のように地中に埋もれていました。その間に水分を失い、魅惑的な光沢を放つようになりまりました。
- 茶道では、この「節穴」のような珍しい素材を鑑賞できるかどうかで、客の美意識を評価されることがありました。
- この「節穴」の価値を理解できない客は、日本では「節穴の」ような目をした人、と軽蔑の目で見られることもありました。
- だから今日、あなたのような洗練された審美眼を持つゲストにこの説明をお伝えするのです。
- だって私も節穴の目をしたガイドと思われたくありませんので。
《英訳例》
- You have a keen eye for noticing and appreciating such beauty, as most people overlook its subtle charm.
- The ceiling features a unique construction with two layers, using cedar on top and paulownia wood beneath.
- This design allows you to catch glimpses of the beautiful paulownia wood through small knotty holes.
- Paulownia wood is prized for its resistance to warping and changes in size, ensuring it maintains its exquisite appearance indefinitely.
- The rare cedar used here is known as ‘Jindai Sugi,’ which means ‘cedar of ancient times.’
- These cedars were buried in the ground like volcanic ash, for hundreds of years. During this time, they lost their moisture and developed a captivating sheen.
- In the tea ceremony, there were instances where a guest’s aesthetic sense was sometimes evaluated based on their ability to appreciate unusual materials such as ‘knotty holes’.
- Guests who could not grasp the value of this ‘knotty holes’ were sometimes viewed with disdain in Japan as a person with eyes like ‘knotty holes’.
- That’s why I’m sharing this explanation with guests who possess a refined aesthetic sense, like you, today.
- After all, I wouldn’t want to be considered a “knotty holes-eyed” guide myself.
控えの間
Q2:この床板には何か特別な意味や特徴があるのですか?
“Does this floorboard have any special meaning or characteristics?”
床板も多くのインバウンドは気が付きませんので、建築へ興味がありそうな方を想定した千年楓一枚板の説明ネタです。全10文は前半の真面目パート(1-5)と後半のおふざけパート(6-10)に分かれています。今回は茶道、遠慮、気遣い、カエデに関する表現をできるだけ織り込んでみましたが、実際はNo1とNo4で殆どのインバウンドは満足されますので、それ以外は雑談力upに使えるフレーズあればご利用ください。👉英語音声は落ちた紅葉なんか関係ない元気いっぱいのオーストラリア女性です。
《日本語》
- 床板は樹齢約千年の紅葉の 一枚板を使っていてとても貴重で珍しいものです。
- 一般的にカエデの木は明るいクリーム色から赤褐色の木目はまっすぐできめは細かく均一で独特の美しさがあります
- また硬く、強く、耐久性に優れ、衝撃に強いため、家具、楽器などに使われていて素材としては珍しいものではありません。
- その樹齢の長さだけでなく、この様な大きな1枚板が取れる紅葉の木はそんなにありませんので二重の意味で貴重です。
- 茶室だけでなく、控えの間にこんな仕掛けをするなんて、野村家は本当にお金持ちだっんですね。
- しかもただのお金持ちだと、珍しい高価な材料を使って見せびらかすだけなんですけど、サムライの見せ方は少し違うのかもしれません。
- 例えば、カエデの木であれば天井に使って、空想の秋の紅葉を見上げて楽しむ趣向なんかできたかもしれません。
- でも、目立たない床板に使ったのは、曲水に落ちた紅葉の葉っぱを見下ろすイメージを意図したのかもしれません。
- 多くの来客、特に殿様の近臣達から、ねたまれないように、カエデの木を選んだのかもしれません。
- カエデの花言葉は遠慮なので千年の孤独ならぬ千年の遠慮を示す為に。
《英訳例》
- The floorboards are made from a single piece of a 1,000-year-old maple tree, which is incredibly precious and rare.
- Maple wood is generally light cream to reddish-brown in color, with a straight, fine, and uniform grain, which gives it a unique beauty.
- Maple wood is commonly used due to its hardness, strength, durability, and impact resistance, making it a popular choice for furniture and musical instruments.
- However, this maple board is not only ancient but also precious in a double sense, as it’s rare to find and procure maple trees large enough to craft such an expansive single piece.
- The Nomura family must have been quite wealthy to have such a contraption not only in the tea ceremony room but also in the antechamber.
- While wealthy individuals often use rare and expensive materials to show off, the samurai’s way of displaying wealth may have been a bit different.
- For example, a maple tree could have been used as a distinctive accent in a ceiling, allowing waiting guests to enjoy the view of imagined autumn leaves.
- On the other hand, the use of inconspicuous floorboards may have been intended to evoke the image of autumn leaves falling into the meandering water of the garden.
- Perhaps the maple tree was chosen to avoid being pestered by many visitors, especially the lord’s lieutenants.
- Since the language of maple flowers symbolizes reservation, could it have been meant to represent a thousand years of restraint, rather than a thousand years of loneliness?
3.『野村家』退館後に聞かれそうなポイント
無事退館した後、ホッとしたいところですが、野村家は観光には絶好の立地にあるので、まだ時間があれば、他になにかない?と聞かれるのは必定なので、下記パターンの対応例をご紹介します。
好天の場合
《日本語》
- 兼六園か金沢城がお勧めです。
- どちらも1マイル弱で歩いて約20分ほどです。
- 野村家が仕えていた君主の屋敷跡とプライベートガーデンです。
- 君主の裕福さと文化好きがわかります。
《英訳例》
- I would recommend Kenrokuen Garden or Kanazawa Castle.
- Both are just under a mile away and take about 20 minutes to walk to.
- They are the former residence of the monarch served by the Nomura family and a private garden.
- You can see the monarch’s wealth and love of culture.
👉『兼六園全体』の英語案内例にについては別ブログでご紹介しておりますので、もしご興味あればご参照くださいませ。
👉👉『金沢城全体』の英語案内例についても別ブログでご紹介しておりますので、もし何かご入用の際にはご参照くださいませ。
好天でない場合
- 21世紀現代美術館か近江町市場がお勧めです。
- 前者は約1.2kmで徒歩15分です。
- 後者は巡回バスかタクシーで10分ほどです。
- 現代美術館ができる前は地元では反対が多かったのですが今はとても愛されています。
- パリのエッフェル塔のようですね。
- I would recommend the 21st Century Museum of Contemporary Art or Omicho Market.
- The former is a 15-minute walk of 1.2k meters.
- The latter is about a 10-minute ride by shuttle bus or taxi.
- Before the Contemporary Art Museum was built, there was a lot of opposition from the local community, but now it is well-loved.
- It’s like the Eiffel Tower in Paris, isn’t it?
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《ご参考》公式HPのご紹介
冒頭申しました通り、こんな要約や簡略した表現でなく、もっと詳細な情報や高度な描写をご要望の場合は下記の公式サイトを直接ご参照下さいませ。(いずれもトップメニューの言語選択でEnglish版に設定できます。)
御礼🔶後書き
🔶今回も最後まで読んで頂き大変ありがとうございます。もし何かご意見やリクエストございましたらお気軽に『Help Desk』にてお声がけくださいませ。Gold🔶
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