本ブログではインバウンド(訪日外国人)ビジネスだけでなく企業接待や留学生対応等で英語説明が必要ながら多忙で情報収集に中々時間をかけられない方々の為にすぐに使える情報をわかりやすく解説しています。
今回は加賀百万石の歴史と文化を今に伝える『兼六園』に急遽インバウンドを案内することになり、そこでその名前の意味や由来(六勝)を聞かれた際の英語表現について分かり易く解説します。また覚えておかれると便利と思われる表現にはまとめて音声サンプルを付けております。
👉本ブログ以外にも、兼六園全体や他スポット、について質問された場合の対応例を別ブログで投稿中ですので、もしご興味ございましたらリンク経由でご覧くださいませ。
👉👉ちなみにタイトルの『腑に落ちる』を英語でどう言うか?を知りたい場合は下記ご参照ください。最も『腑に落ちる』表現は”It makes sense.”ですが、その他類似表現もご紹介しています。
👉👉👉本ブログ各表現の(音声を使った)《演習ツール》を派生ブログとしてご用意していますので、もしご興味あればリンクよりご参照ください。
1. 『兼六園』の名前の由来は?
まずは、基本的なところから段階的にご紹介します。日本語→英語の順番です。日本語で説明できないことは英語でも説明できませんので。この章のレベルで相手にご満足いただければラッキーですが、もし更に聞かれたら次章(2)にお進みください。
👉「六勝(ろくしょう)」とは優れた景観の代名詞のこと。兼六園公式ホームページ(ブログ最後に参照リンク先ありますが)の六勝(景勝)の説明を如何に簡単に伝えることができるかが本ブログの目的です。(ここでの各表現は公式HPの「相互に矛盾する六条件」に重きを置いて極力単純化してみました。)
a) かいつまんで言うなら(標準的インバウンド向け)
👉かなり要約しておりますが、相手によってはこれでも難しいかもしれません。
- 文字通りの意味は六つの美観(景勝)を備えた庭園です。
- 古代中国にはその6条件を備えた理想郷があると信じられていました。
- 兼六園はその理想的な世界を目指して作られました。
- この庭はその6条件を備えていると言われこの名を付けられました。
👉その英訳例です。
- The literal meaning of Kenrokuen is a garden that has six beautiful views.
- In ancient China, it was believed that there was an ideal utopia with six conditions.
- This garden was created with the aim of achieving this ideal world.
- It is said that Kenrokuen Garden meets those conditions.
b) もっと簡略化するなら(英語が第二言語の方向け)
👉もう少し簡略化してみました。英語が母国語でない人や日本知識のない方向けにどうでしょうか。
- 意味は6条件が揃った庭園。
- 昔から完全な庭園にはその6条件が必要と言われてきた。
- この庭園はそれを実現しようと作られた。
👉その英訳例です。
- This means a garden that combines six conditions.
- It has been said that a complete garden requires six elements since ancient times
- This garden was created with the intention of realizing it.
c) 一言で済ませるなら(米国人向け2例)
👉もし一言で済ますとしたらこんな感じでしょうか。特にアメリカ人は同じ意味の単語でも短い方を好んで使うので米国人向き?よりしっくりくる方をお試しください。
- 6つの美を備えた理想的な庭園と言う意味です。
- The name Kenrokuen means “Ideal garden of having six beauties” .
- 『六つの美点を備えた理想的な庭園』の意味です。
- It’s an ideal garden that possesses six beauties.
d) 使えそうな単語候補
👉最後に「6つの美観・条件」の単語表現をいくつかご紹介しますね。微妙に意味合いが異なりますが、どれが相手の腑に落ちるか、試してみるしかありませんので。
- six beautiful views / six attributes / six conditions /six elements / six qualities/six beauties/ six criteria / six aesthetics
2.理想庭園の六条件(景勝)の中身は?
もし6条件の内容について聞かれた場合の表現ですが、こちらも相手に合わせて段階的にご紹介します。
a) 模範的に言うなら?(日本文化マニア向け)
👉日本人でも(日本語で言われても)口頭ではすぐに理解できない人が多いので、殆どのネイティブには難しいと思います。
👉👉ここでの『六勝』の6項目はホームページの表現ですが、本ブログの主旨からそれ以上は深い入りしておりません。
《日本語》
- 美観の必須6条件は「宏大、幽邃、人力、蒼古、水泉、眺望」です。
- それぞれに矛盾する条件なので、この6条件を満たすことはほぼ不可能と考えられています。
- ただしこの庭はそれを満たしているとして日本で唯一この名を付けられたのです。
《英語》
- The essential six beauties are ‘spaciousness’, ‘seclusion’, ‘artifice’, ‘antiquity’, ‘water features’, and ‘panoramas’.
- Because each of these conditions contradicts the others, it is considered nearly impossible to meet all six criteria.
- However, this garden was named as the only one in Japan to meet them all.
b)簡略して言うなら?
👉かなり簡略化してみましたが、立ち話で理解していただくには、それでもまだ長いですね。
《日本語》
- 6つの美観はそれぞれに矛盾していて達成困難な条件です。
- 広大だが繊細で、人工的だが自然的で、近くも遠くも美しくなければならない。
- この庭園はその矛盾する条件を達成しているのです。
《英語》
- The six aesthetics are conflicting and difficult to achieve.
- It requires vastness but delicacy, artificial but natural elements, and beauty from both near and far.
- This garden has achieved these conflicting criteria.
c) 一言で言い切るなら?(米国人向け2例)
👉最後に分かり易さを重視して置いてみましたが、一文だとかえって分かりにくい場合は、いくにつかに分割してみると良いかもしれません。
- この庭では相反する6要素の「大胆さと繊細さ」「自然物と人工物」「遠景と近景」が両立している。
- In this garden, six contrasting elements coexist, meaning ‘boldness and delicacy’, ‘natural and artificial objects’, and ‘distant and close views’
- この庭は「大きいものと小さいもの」と「自然物と人工物」と「遠いものも近い」の6要素を矛盾なく取りまとめている。
- This garden seamlessly combines six elements without contradiction: “big and small”, “natural and artificial”, and “far and near.”
《ご参考》公式HPのご紹介
冒頭申しました通り、こんな要約や簡略した表現でなく、もっと詳細な情報や高度な描写をご要望の場合は下記の公式サイトを直接ご参照下さいませ。(いずれもトップメニューの言語選択でEnglish版に設定できます。)
兼六園|観光・体験|【公式】金沢の観光・旅行情報サイト|金沢旅物語 (kanazawa-kankoukyoukai.or.jp)
腑に落ちるの英語表現例
類似表現と音声サンプルもご参照ください。
・腑に落ちました!/納得しました!/腹落ちしました!/感心しました!/ストンと来ました!
- It finally makes sense!/I see the point now!
- I understand now! / I am convinced now!
- I am satisfied! /I feel content now!
- I am impressed! /I am amazed!
- It hit me!/ It dawned on me!
👉追加ご参考…このシリーズでネイティブに対し極力簡略な表現を目指すのは、お相手が下記の状態にある事が多いからです。勿論お元気な日本マニアはその限りではありません。
- 目の前の景観(視覚情報)に殆ど意識が向けられていて細かい説明を求めない。
- 雑踏の中を歩きながらの会話が多いので、長い説明に耐えられない。
- 長旅と慣れない異国での疲れから、集中力が続かず、聞くだけでも疲れる。
- ネット情報の大半は日本について一定の知識(歴史・文化等)を前提とした書き言葉なので、そのまま口頭で言っても中々ピンとこない。
御礼🔶後書き
🔶お忙しい中、今回も最後までご覧いただき大変ありがとうございました。今回テーマ含め今後も定期的にブラッシュアップして参りますので、引き続きご参照のほど宜しくお願い致します。🔶Gold
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