本ブログではインバウンド(訪日外国人)ビジネスだけでなく企業接待や留学生対応等で英語説明が必要ながら多忙で情報収集に中々時間をかけられない方々の為にすぐに使える情報をわかりやすく解説しています。
今回は商談で北陸の金沢市に訪日中の重要顧客と市内移動中のタクシーの窓からチラッと見える金沢城について一体何かを聞かれ、その僅かの間に、できるだけ腑に落ちる回答をしたいシチュエーションです。
一般的に多くの訪日外国人は『食べ物』『アート』『建築』『ファッション』『日本人』に高い関心があると言われますので、それらの視点に立って、より口頭で短く、わかりやすくお伝えして、ぜひ体験してみたい(行ってみたい)と思わせたいですよね。もしお気に入りのセリフがあれば、一度お試し下さい。最後に付録として音声サンブルもあります。
1. この一言で腑に落ちる?
このパートのいずれかのワンフレーズでご納得いただけたらラッキーですね。もしだめなようでしたら、次のパートもお試しください。いつも通り、日本語で言えないことは英語でも言えませんので、まずは日本語から。
《日本語例》
- 金沢城は17世紀初期、リッチな領主が作ったハイセキュリティの豪邸です。
- 👉防御力の高さを現代風に「ハイセキュリティ」と置き換えています。
- 当時のオリジナルが完全復元された、殿様気分で散歩ができるお城です。
- 👉復元されたばかりで歴史を感じさせないので、それを逆手に取っています。
- 約3百年間、裕福な領主たちが平和で贅沢な生活を楽しんだ夢の跡です。
- 👉前項と同じ、少しでも古い歴史を感じさせたい意図です。
《英訳例》
- Kanazawa Castle was a mansion built by a wealthy lord in the early 17th century, renowned for its tight security.
- 👉勿論17世紀初期は約4百年前=’about 400 years ago’等もアリですね。
- This castle is a faithful restoration of the original from that era, allowing you to walk in the shoes of a lord.
- 👉「殿様気分」を’in someone’s shoes’=「その人の立場で」を使って「殿様の靴を履いて散歩する」意味に重ねています。この辺りのシャレが通じると良いですね。
- It’s like a remnant of prosperity where wealthy lords lived in luxury for nearly three centuries.
- 👉「夢の跡」は直訳の’dream’でなく本来意味の’prosperity’(栄華)を使っています。’remnant’(名残)も同様です。
《Glossaries:用語集》
a wealthy lord(裕福な領主)be renowned for~(~で知られた)a faithful restoration of~(~の忠実な復元)to walk in the shoes of a lord(殿様気分で歩く) a remnant of prosperity(夢の跡) to live in luxury(贅沢に暮らす)
2.次の補足でご納得?
残念ながら前パートで外した場合のフォローセリフ、関心別に置いてみましたので、何かお気に入りあればお試しください。
《日本語:建築系》
- 高価な鉛瓦を使っているので、屋根は夏でも雪が積もったように白く見えます。
- 👉金沢城の特徴の一つ「鉛瓦」をサラッと紹介。
- ダイヤ(菱)型の櫓が鬼門の方角に建っていて鬼門封じの造りが見られます。
- 👉以前NHKでも放送されたL型段差のことです。
- 当時の有名な門も残っていて、その装飾性のある最強の門形式が楽しめます。
- 👉「石川門」のことですが、基本的にインバウンドに固有名詞は避けましょう。
《日本語:日本人系》
- かつての邸宅には60以上の部屋があり、側室たちのエリアもありました。
- 👉「かつて」というのは、今は(掘削調査中で)フロアマップしか見られませんため。
- かつての邸宅には二つの能舞台があり、領主たちは我々以上の文化的生活を楽しんでいました。
- 👉これも前項同様です。
《英訳:建築系》
- The roof looks as white as snow even in summer because of the use of expensive lead tiles.
- 👉’expensive’(高価)で、領主の裕福さを暗に伝えます。
- A diamond (rhombus)-shaped turret stands in the direction of the demon’s gate, designed to ward off evil spirits.
- ダイヤモンド型は外からわかりませんが、中(展示室)に入ると分かります。
- This castle has a surviving famous gate from that time, allowing visitors to enjoy its ornate and strongest gate style.
- 👉戦国時代末期の枡形門は最強の形’strongest’’と言われています。
《英訳:日本人系》
- The mansion that once existed had more than 60 rooms and a space for concubines.
- 👉 ‘concubine’(側室)が咄嗟に出ない場合は’second wife’か’mistress’(愛人)等でかわしましょう。
- The mansion that once stood had two Noh stages, and the lords enjoyed a more cultured lifestyle than we do.
- 👉本来’mansion’は大邸宅の意味で、日本のマンションは’aparatment’と言います。感覚的に馴染めなければ、’villa(大邸宅)’や’residence(住居)’でも、この文章の意図は通じます。
《Glossaries:用語集》
lead tiles(鉛瓦:複数)rhombus-shaped turret(菱櫓)in the direction of〜(〜の方向に)to ward off evil spirits(鬼門を封じる)ornate(華美な)concubines(側室:複数)
3.《付録1》英語説明:音声チェック
上記のセリフの中で、もしお気に入りがあれば、音声チェックもお試しください。普段わかっていても、いざというとき咄嗟に出ないときもよくありますので、その記憶チェックにもどうぞ。
1. この一言で腑に落ちる?
音声サンプルは米国女性、ゆっくりタイプです。
2.次の補足でご納得?
《建築系》音声サンプルは米国男性話者標準(少し早口)タイプです。
《日本人系》音声サンプルは英国男性話者ゆっくりタイプです。
4.《付録2》Glossaries:用語音声チェック
Glossaries(用語集)の発音に不安のある場合はこちらでチェックを。一律長めに2秒ポーズ置きました。音声サンプルはいずれも米国女性まったりタイプです。
1. この一言で腑に落ちる?
2.次の補足でご納得?
御礼🔶あとがき
お忙しい中、今回も最後までご覧いただき大変ありがとうございました。今回テーマ含め今後も定期的にブラッシュアップして参りますので、引き続きご参照のほど宜しくお願い致します。🔶Gold
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