A級通訳♠白川郷❸合掌造り全般@基本10!屋根角度の真の意味,茅葺屋根の長所,囲炉裏の秘密:英語表現習得

演習@飛騨他

本ブログは観光業、企業接待、留学生対応等で英語案内が必要ながら、多忙で準備に時間をかけられない方々の為にすぐに使える情報を分かりやすく解説しています。

今回は本編ブログ『世界遺産@白川郷わかりやすく解説』の《3.合掌造り(概要)>3.1 基本情報》のA級者用(日→英の対応が必要な方)向け演習《Dツール》です。

👉ショートカット&リンクについて!①最初に音声で学習されたい方はそのままお進み下さい。➁最初に原文を確認されたい方は【原文:英日】へ。③本編ブログを参照されたい方は『白川郷わかりやすく解説』へ。④音声ツールの概要を参照されたい方は『演習ツール』まで!

3.合掌造り(概要)

”Gassho-zukuri/prayer-hands style(Outline)”

3.1 基本情報

本編ブログの通り、本来説明表現ではありませんが、基本情報として使える表現もありますのでツールとしてご用意しました。

Dツール:”日⇒英”演習簡易ツール

本ブログ同様、全10文は前半パート(1-5)と後半パート(6-10)の2ファイル構成になっています。また日本語だけ演習向けに(不自然にならない範囲で日英の語順を合わせる様に)編集しています。 

D1:日英確認用:『日本語』”英語”対訳

👉文単位で日本語の後に英訳が續きますので、内容の確認ができます。

前半パート(1-5):日本語男性話者+オーストラリア女性話者
後半パート(6-10):日本語女性話者+英国男性話者

D2:口頭即訳用:『日本語』のみ(ポーズ間に英訳)

👉各日本語文の後はポーズになっていますので、その間に英訳できます。

前半パート(1-5):日本語男性話者+無音
後半パート(6-10):日本語女性話者+無音

D3:リピーティング用:”英語”のみ(ポーズ無し)

👉英語音声のみが(ポーズなく)続きますので復唱ができます。

前半パート(1-5):オーストラリア女性話者
後半パート(6-10):英国男性話者

D4:内容チェック用:”英語”のみ(低速版:or同通演習用)

👉英語音声(ポーズなし)を低速版で復唱or同時通訳の演習ができます。速さはいつも通り、約120wpm(約85%低速版)です。

前半パート(1-5):オーストラリア女性話者
後半パート(6-10):英国男性話者

 【原文:日英】

《日本語》

  1. 合掌スタイルは建築的にはエーフレームに属するものの、そのコンセプトは美的発想から生まれたのでなく厳しい自然環境に最適化する必要性から生まれたものです。
  2. 急勾配の屋根の角度が定まったのは長い期間にわたってのことで、積雪から家の崩壊を防ぐためと建物内の養蚕業のスペースを最大化するためでした。
  3. 「合掌」は祈るとき両手を重ねることを意味し、山の屋根の形に由来したものと言われていて、ここの人々の信心深さを思わせます。
  4. 屋根を覆っているのは何層にも重ねた地元でとれた茅で、1メートル弱の厚さで覆われていて遮音性、断熱性に優れ、冬は暖かく、夏は涼しいのです。
  5. 居住用の1階より上の階は複層階に分けることで夜間や冬季の屋内作業の生産性を最大化し、また間仕切りをなしにして、採光と風通しを良くしています。
  6. 建物はロープで組まれることで、しなやかな構造を作り出し、外からの圧力を分散し、暴風や地震に抵抗力があります。
  7. 囲炉裏は一階に配置され、そこからの煙は建物を害虫や腐りから守るのに役立っていて、床や茅葺き屋根から通り抜けるまで屋内をいぶすのです。
  8. 風の流れや屋根の日当たりを考慮し、家々は南北を向いて建てられ、密集しないように並べられています。
  9. 屋根の葺き替えは20年から30年毎に村の住民たちによって行われますが、この慣行が珍しくなっていますのは、人口減少と専門業者に頼ることが多くなったためです。
  10. 今、訪問客は毎年の大規模な消防訓練を見学することができ、そこでは一斉放水されるのですが、火災に弱い茅葺き屋根のためのもので、娯楽の為ではありません。

《英訳例》

  1. Although the Gassho style architecturally belongs to the A-frame, its concept was not born from aesthetic ideas but rather from the need to optimize the harsh natural environment.
  2. The steep roof angle was established over a long period of time to prevent the house from collapsing due to snow accumulation and to maximize the space available for sericultural work inside the building.
  3. ‘Gassho’ means to put one’s hands together in prayer, and it is said to derive from the mountain-like roof shape that reminds us of the deep piety of the people here.
  4. The roof is covered with several layers of locally harvested thatch, less than one meter thick, which provides excellent sound insulation and heat retention, offering warmth in winter and coolness in summer.
  5. The floors above the first floor for residential use are divided into multiple stories to maximize productivity for indoor work at night and in winter, and there are no partitions to ensure ample light and ventilation.
  6. The building is assembled with ropes, creating a flexible structure that disperses external pressure and is resistant to windstorms and earthquakes.
  7. A sunken hearth is placed on the first floor, and the smoke from it helps protect the building from pests and rot by fumigating the interior before exiting through the floor and thatched roof.
  8. Considering wind flow and sunlight on the roofs, the houses were built to face north-south and be aligned to avoid crowding.
  9. The thatching of roofs is replaced every 20 to 30 years by a group of village residents, a practice that is becoming rarer due to the decreasing population and the increasing reliance on specialized contractors.
  10. Nowadays, visitors can observe large annual fire drills, where water is discharged all at once, conducted due to the vulnerability of thatched roofs to fire, not for entertainment.

《Glossaries!用語集》

信心👉deep piety!地元産の茅👉locally harvested thatch!遮音性👉sound insulation!保温性👉 heat retention!👉十分な採光と換気👉 ample light and ventilation!外圧を分散させる👉to disperse external pressure!ロープで組み立てられている👉be assembled with ropes!室内燻蒸👉fumigating the interior!南北を向く👉to face north-south!専門業者👉specialized contractors!年1回の消防訓練👉annual fire drills!一挙放出される👉be discharged all at once!

【補足】口頭用簡略英文

本編の口頭説明用の簡略英文を置きました。長々と説明された日本語を手短に通訳することは現場でよくありますので、D2(日→英)演習用に必要に合わせてご参照ください。ここでは英語音声(英国女性話者×1ファイル)だけ末尾に置いています。

《英語》

  1. The Gassho style, regarded as a Japanese A-frame, was designed for practical needs, not aesthetics.
  2. The steep roof angle was developed over hundreds of years to prevent snow buildup and create space for silk farming inside.
  3. “Gassho,’ meaning ‘putting hands together in prayer,’ was named after the roof’s shape, reflecting the deep faith of the local people.
  4. The roof, made of thick local thatch, provides excellent soundproofing, warmth in winter, and coolness in summer.
  5. The multiple upper floors provide ample working space, with no partitions to allow better light and ventilation.
  6. The building uses ropes for a flexible structure that disperses external pressure, making it resistant to windstorms and earthquakes.
  7. Smoke from a sunken hearth protects the house from pests and rot by fumigating the interior.
  8. Houses face north-south to optimize wind flow and sunlight, and are aligned to avoid crowding.
  9. Roof thatching is replaced every 20-30 years by villagers, though this practice is declining due to a decreasing population and increased use of contractors.
  10. Annual fire drills, which discharge water all at once, are conducted not for entertainment but to protect the flammable houses.
英語音声(英国女性話者:10文×1ファイル)

《日本語》

  1. 日本式Aフレームと言える合掌スタイルは、美的感覚ではなく、実用的な必要性からデザインされました。
  2. 屋根の角度が急なのは、雪が積もるのを防ぎ、養蚕のためのスペースを内部に確保するため、何百年もかけて開発されたものです。
  3. 「合掌」は「手を合わせて祈る」という意味で、地元の人々の深い信仰心を反映した屋根の形から名付けられたものです。
  4. 屋根は地元の厚い茅葺きで、防音性に優れ、冬は暖かく、夏は涼しいのです。
  5. 上層階は、十分な作業スペースを確保するために多層階になっていて、間仕切りがないため採光と通風が良いのです。
  6. この建物はロープを使った柔軟な構造で外圧を分散し、暴風や地震に強いのです。
  7. 囲炉裏から出る煙は、室内を燻すことで害虫や腐敗から家を守ります。
  8. 住宅は風の流れと日照を最適化するために南北に向き、混雑を避けるように配置されています。
  9. 屋根の葺き替えは村人によって20~30年ごとに行われているが、人口が減少し、業者の利用が増えたため、この習慣は減少しています。
  10. 年に一度、一斉に放水する消防訓練がされますが、娯楽のためではなく、燃えやすい家屋を守るためです。

御礼&後書き

お忙しい中、今回も最後までご覧いただき大変ありがとうございました。今回テーマ含め今後も定期的にブラッシュアップして参りますので、引き続きご参照のほど宜しくお願い致します。🔶Gold🔶v.4b.4c.1a

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